2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「 (=日本)」:有象無象の〈ふつう〉が象る空虚な「世界」

もし愛国者が日本万歳と叫ぶならば、その人は最低限「日本(人)らしさ」の不可知性を強く意識した上で、かつその明確な輪郭の〈不在〉に母国の誇りがあることに強い信念を持つべきである。「日本最高!」は、「どっちつかずな我々」の中に至高性を認めるこ…

もう修論か、

ここ最近ですが、やっと修論の文献講読も全体の半ばまでいたり、もうすぐ執筆に差し掛かる段階まで来ました。テーマは、フーコーの思想から見た「理性の構成」となります。写真はその概要のダイアグラムというべきでしょうか。 いずれにしても、ぐずぐずして…

ソーシャルメディア:即席化した他者との交わりの場

You have a self-destructive destiny when you're inflictedAnd you'll be one of God's children that fell from the topThere's no diversity because we're burnin' in the melting pot Immortal Technique - 'Dance with the Devil' コミュニケーション…

ずっと僕の心を燻り続けるもの

今日において、家族とは一枚岩で単一的なユニットではない。むしろ複合的なポリティクスの場、自他の相剋の場なのである。ただし、移民した場合は、親と子で優位的な言語も変わりうる点で、また事情は異なってくる。これは常にそうだとは言い切れないが、少…

アンレビュード・レビュー:Andre 3000のソロ作のリリースを慶賀して

Andre 3000. かつて米国で一斉を風靡したヒップホップのデュオ、アウトキャスト(Outkast)の片割れとして活躍していたアーティストである。かのエミネムも、彼をトップ5のリリシスト(詩的な歌詞を紡ぎ出すラッパー)として尊敬している。そんなAndre 3000…

「外国語を学ぶ」という誤謬

よく「金さんが使ってる日本語の単語が難しい」と指摘されることがある。この原因として(こじつけかもしれないが)赤ちゃんの頃は韓国語が専ら行き渡る家庭環境だったからなのかもしれない。韓国(朝鮮)語は、日本語より比較的に漢語由来の語が日常的に使…

「神は国家なり」:異端的国家論断片

初めに国があった。国は神と共にあった。国は神であった。 この国は初めに神と共にあった。 すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。 国なきもの、それは同じ発音、同じ言葉を語らないものである。…

ポストコロニアル的理性の虚しさ

私自身、未だ理解が拙いものはあるが、〈帝国〉の時代・世界を取り壊す戦略の形は次のようになるだろう。いわゆるポストコロニアリズムの理論において、〈抑圧者〉の言語と〈非抑圧者〉の言語の対立図式がある状況を打破するためには、その二元論の図式とそ…

根をもたないこと:「わたし」を否定的に構成していく生の営み方

とある大学院のゼミに先生だけでなく、その恩師にあたる方も時折参加するようなものがある。その日はミシェル・ド・セルトーの「神秘的な発話」が題材であった。その内容に則って、中世のスペインと19世紀ドイツにおけるユダヤ人の他性についても議論された…

表象の欺瞞、その2:「アクセントあるある」は他愛ない会話の一環なのだろうか

「万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった」(ヨハネによる福音書 1:3)。 この聖句で伝えられているように、人の世界もまた、各自が言葉で伝えるものによって生成され続けている。しかし、その世界観は、私たちが使…

「虚ろいゆく」自分

今日において、家族とは一枚岩で単一的なユニットではない。むしろ複合的なポリティクスの場、自他の相剋の場なのである。ただし、移民した場合は、親と子で優位的な言語も変わりうる点で、また事情は異なってくる。 簡潔に説明すると、移民において、親と子…

表象の欺瞞:自己表象の要因としての「代理」

出だしから個人的な意見を述べることで、文章を書き始めることをご容赦願いたい。つまり、(日本人としての自己意識があるならば)どの人でも「日本人の礼儀正しさ・謙虚さ」という言葉を使って自己表象するならば、心の奥底で、「白人様、私たちはバカチョ…