2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

社会学・人類学に未だに潜むオリエンタリズム

今日は、「君主制の議論でジェンダー理論を導入する必要がある」と明記した文献を読んだ。率直な反応として思ったのは、そのような「主語の大きい」提案よりも、「なぜ今まで queenship の話が系統化されなかったのか」という無知論的な問い建てのほうがまだ…

研究を始めてから気づいたこと

研究は難しい。そんなことを、今更のように痛感している。ここで言う「研究」とは、問いの設定とその対象の考察、そしてその解になる考えのあり方を模索する行為、及び姿勢としよう。 早速、本題に入ると、「なぜ?」の焦点の定め方と、そのレンズ調整の仕方…

神話と象徴が作る世界を生きる私たち

一つの思弁的な構築だったものが、科学技術の進歩とともに急速に拡散される。そして、その思考様式は集合的に模倣されることで、大きな共同体を構築する。 ナショナリズム研究において、そのようなとある媒体を通した共同体の構築とその沿革を探求することは…

古典はひらめきのもと

「主権者、君主、そして人民の継続的な釣り合いは、決して恣意的な考えによるものではない。むしろ、政治的身体(政体)の性質を考えれば、必然的な帰結なのである。」(私訳)ハイライトした部分の最初の一文、まさに自分が取り組んでいる問題意識を端的に…

君主の身体、国民の身体

「君主の身体を<一>としたとき、民主主義を”君主”の身体の<多>な姿≒「国民の身体」として考えられるならば、君主制は単なる<象徴的>なものと言えるのか。」 もし、この問いが示唆するものを、「仮想現実的な君主制」(cf. Santner, 2011)としての民主主…

ホームレス・マインド

「地元がない」。この言葉を僕が言うとき、大概3つほど意味が込められている。 一つには、本来「地元」になるはずだった場所から離れた場所で人生の大半を過ごしたこと。いわば、「ホーム」の概念を(リクール的な意味で)自分自身を疎隔しながら理解するし…

気に食わない相手を「先生にチクる」のはなぜか

異なる主張同士の解決を言論で解決するのは自明的だと思うが、最近は、相手の所属先に抗議するような形で間接的な「暴力」を行使するようになった。つまり、表現の自由戦士を揶揄する以前に、自身が「権力」に癒着する形で言論への反自由を経由した特権を享…

人それぞれの生きづらさ、僕の色

https://www.instagram.com/p/Cn65qDSJ2OJ/?igshid=YmMyMTA2M2Y= 影山さんと同列に並ぶとか不遜なことは言えないが、投稿にある最初の「複数の視点を持ちすぎて混沌としてしまう部分や頭が回転しすぎる部分」はものすごい共感できる(記憶だと、僕自身は130…