政治哲学学会発表〈概要〉

既にお知らせした通りではありますが、来たる政治哲学研究会の第47回研究大会において、私の演題が採択されました。以前、お伝えしたような内容のままではありますが、簡単につまみの部分だけ再共有いたします。

発表題目は、「ナショナリズムの生政治的転回」、副題には〈「祖国のために死ぬこと」から「祖国のために生きること」へ〉と定めています。

中心的な問いは以下のように設定されています。

a. 誰が「祖国」を欲するのか。すなわち、「愛国の主体」はいかなる構成条件を要請するのか。
b. なぜ「祖国」を愛するのか。それを裏付ける動機はどこに発生するのだろうか。
c. 「祖国愛」、および愛国心は、ネイション的共同体のなかで生きるための権利なのだろうか、それとも義務なのだろうか。

以上の3つの問いに答えるにあたって、人類学的概念(「供犠」)と、政治哲学的概念(「祖国」、「愛国」)を架橋させた形の生政治的アプローチを用いた説明を試みています。

総じて本発表の目標は、生政治学の観点から、ナショナリズム研究とその理論を展開することが可能であることを示唆することにあります。

発表自体は九月初旬ごろとなっており、時間も限られてはいますが、最善を尽くせるよう精進したいと思います。