改めて自己紹介

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こんにちは。改めて、金 宇中(キム ウジュン)と申します。最近は研究漬けでありますが、一体どういった研究なのかつかみにくい、という方もいるかと思います。

以下、自己紹介も兼ねて、現時点で取り組んでる研究課題について簡易的に述べました。

自己紹介:

生まれ:1996/8/25
出身:韓国→日本(生後3ヶ月で移住してから、ずっと日本ぐらしです。
所属:早大学院→SILS '21→UT 広域科学専攻 相関基礎科学
関心分野・領域:科学認識論/理論社会学/生政治/政治神学/文化人類学/ポストコロニアリズム/言語心理・言語人類学

以下、私が現時点で取り組んでいる研究内容です。

【本業:研究室で修士論文のテーマに据えているもの】

・研究室でやってる本業の研究は、オープンダイアローグと呼ばれる精神疾患の治療法について取り組んでます。その流れで、そのような治療法における「患者」という概念の構築のあり方についてやってます。

・厳密には、「患者」の社会背景が違えば、医療チームと患者・その家族の間でのコミュニケーションの取り方も変わるのではないか、という視点から、この治療法において「患者」はどのように概念化されるべきか検証しています。

以下は、別で個人的に取り組んでいる研究テーマです。

1)分析哲学における認識論とフランスの科学認識論の学術的な違いについて。

認識論とされる哲学のあり方とで、英米のプラグマティックな様相と、大陸系(ここではフランス哲学)のそれとの間にある領域的な差異について整理中です。

現時点までの考察では、前者が言語活動に基づいた認知の諸相を扱うのに対して、後者は科学的発見、科学者による概念の構築を批判的な立場も踏まえて、歴史的に記述するところに差異があるとしています。

また、科学認識論の特徴を踏まえて、イメージ論に関する論考を展開していく予定です。今のところ、精神医学的な意味での「患者」という表象が、19世紀以降から今日に至るまで西洋社会で構築された歴史的背景を調査することを考えています。そして、明治時代以降、文明開化の流れで発達し始めた医学は、日本社会でいかなる形で受容されてきたのかを考察していきます。

2)生政治の概念の文献追跡調査。

生政治は、ミシェル・フーコーの影響を受けたイタリアの現代思想家、ジョルジオ・アガンベンによって系統化された概念です。端的に述べるのは難しいですが、基本的には、人の生命をシステム的に管理する主体としての国家・社会の権力と統治性について批判的に論ずる立場をとっているのが、理論的な核心と言えるでしょう。

今は、そのルーツとなる、ポーランド系の歴史学者・カントロヴィッチの「王の2つの身体」を読み進めています。それを元に、政治神学的な観点から、人間の身体を統治する機構としての「国家」、そして「社会」のあり方について探求中です。

矢鱈と長くなりましたが、以上自己紹介・研究内容の紹介でした。改めて、よろしくお願いします。