20世紀初頭の大陸哲学の流れで生まれた思想(バシュラール、ポワンカレ、ベルグソン、フッサールなど)を最近振り返ってみたいという意欲が湧いてきた。
近代から現代へと、時代も社会環境みパラダイムシフトを遂げていく過渡期で、散逸構造的に形成されたあの頃の思弁的生態系は、今日の哲学・思想研究の柱としてその存在意義は揺るがないものになっている。
そして、21世紀の今。哲学はその生態系が更に複雑化していくどころか、その独自性と学術的土壌が、「科学」の脅威に晒されているかのような状況に陥っている。往年の新規性と差別化へのエネルギッシュな意欲に満ち溢れた「哲学」はどこに行ったんだろうと思うことがある。
少なくとも、哲学徒の端くれでしかない自分だが、特異性への貪欲さは忘れないでその探究心に忠実であり続けたいと思う。